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都市計画区域の市街化区域と市街化調整地域とは?用途地域とは何か?

市街化地域と市街化調整地域の違いについて!用途地域とは何か?

都市計画とは都市の将来あるべき姿を想定し、そのために必要な規制、誘導、整備を行い、地域を住宅街にしたり商店街にしたり工場地域にしたり人の住まない地域にしたりして都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることです。

都市計画を知ることで住む地域にどのような建物が建てられるのかどのような街並みになるのか考えることが必要です

目次
1.都市計画区域、都市計画区域外、準都市計画区域の違いについて
2.市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域の3区域に分けて都市計画
3.用途地域で建築できる建物の種類、用途の制限して都市計画
4.まとめ

都市計画区域、都市計画区域外、準都市計画区域の違いについて

都市計画区域都市計画区域外都市計画区域外の中に準都市計画区域があります。

都市計画区域図

都市計画区域

人口や土地利用の状況、地形等の自然的条件、通勤・通学等の日常生活圏、主要な交通施設の設置状況などを総合的に判断し、都市の将来あるべき姿を想定して一体の都市として総合的に整備・開発・保全する必要がある区域や、住宅都市、商業都市、工業都市等として開発・保全する必要がある区域として、都道府県により指定される区域のことです。

都市計画区域では、市街化地域市街化調整地域線引きすることで市街化促進する区域市街化を抑制する区域分けたり用途地域で建築できる建物の種類、用途の制限を定めることで都市の環境保全や利便性を高める計画をします。

都市計画区域外

都市計画をしない区域で、将来的な開発の可能性がほとんどなく、規定を定めていない区域です。

都市計画法都市計画区域、準都市計画区域に適用されるので都市計画区域外であれば都市計画法の適用はされません。

大規模の開発行為には許可が必要になる

10000㎡以上の開発行為の際には開発許可が必要です。

小規模で特殊でない建物は確認申請が不要になる

1.映画館や病院、学校、カフェ、倉庫などの建築物(特殊建築物)で、その用途の床面積の合計が100㎡を超えるもの
2.木造で3階建て以上の建築物、または延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるもの
3.木造以外で2階建て以上の建物物、または延べ面積が200㎡を超えるもの
4.1〜3の建築物を除き、都市計画区域、準都市計画区域、準景観地区内または都道府県知事が指定する区域内における建築物

ほとんどの地域で4項の都市計画区域、準都市計画区域、準景観地域に建築するので確認申請が必要になります。

都市計画区域外は4項の規定にあてはまらないので、1項の特殊建築物でなくて、木造の2項の規模以内で、鉄骨や鉄筋コンクリート造などで3項の規模以内の建築物は建築工事届を提出れば建築できます。

準都市計画区域

準都市計画区域は、積極的な整備または開発を行う必要はないけれども、そのまま土地の利用を制限したり環境を保全しずに放置すると、将来的に都市として整備、開発、保全する場合に支障が生じるおそれがある区域について指定します。

都市計画区域外で無秩序な開発が行われるおそれがありそうなところに、開発や建築を規制するために局地的に準都市計画区域を定めます。

そうすることで用途地域や特定用途制限地域、風致地区、接道の義務や建ぺい率や容積率の制限も適用されます。

市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域の3区域に分けて都市計画

住民を誘致する地域人が住まないようにする地域どちらでもない地域に分けて都市の計画をたてます。(市町村によってはこれらの線引きをしていない所もあります)

市街化区域図

市街化区域

市街化区域とはすでに市街地になっている区域や、今後10年以内に優先的・計画的に市街化を図るべき区域のことを指します。

市街化区域は市街化を促進する区域なので、住宅や施設などを積極的に作って活性化を図るため建築することができます。

都市計画法による開発行為1,000平方メートル未満であれば許可が不要になります。

市街化調整区域

市街化調整区域とは住宅や施設などを作らないで市街化を抑制すべき区域のことをいいます。

市街化を目的とはしていないので、基本的に建物を建てることができません。

しかし、例外で規制がかかる前からその他で暮らしている人や農業などに従事する人の家や施設は建てることができます。

市街化調整区域では、その規模にかかわらず開発行為について知事の許可が必要になります。

市街化調整区域は市街化を抑制する区域なので、小規模な開発でも立地規制の観点から開発許可の対象となっています。

非線引き区域

非線引き区域とは市街化区域と市街化調整区域の区域区分を定めていない都市計画区域のことをいいます。

都市計画区域として指定されたエリアを市街化区域市街化調整区域に分ける作業を線引き(区域区分)と言います。

線引きを行うときに、市街化区域とも市街化調整区域とも判別し難いグレーゾーンがどうしても出てきます。この保留状態のままのグレーゾーンエリアが非線引き区域です。

都市計画法による開発行為3,000平方メートル未満であれば許可が不要になります。

用途地域で建築できる建物の種類、用途の制限して都市計画

用途地域は全ての土地に定められるのではなく、都市計画法により都市の環境保全や利便の増進のために市街化区域、非線引き区域、準都市計画区域が対象になります。

用途地域は大きく分けて、住居系、商業系、工業系3つに分かれ、さら12種類の地域に分かれます。

その地域の特性を考慮して用途地域ごとに、建築できる建物とできない建物があります。

用途地域が定められていない部分は「非線引き白地地域」と呼ばれます。

第一種低層住居専用地域

低層住宅のための良好な住居環境を守るために定める地域です。

良好な日照を得られるように建物の高さや敷地の境界から外壁までの距離が制限されます。

建ぺい率の制限があり、建物に対してゆとりのある土地が要求されるので建物が密集しするということがなく、一定以上の規模の商業施設が作られることもないので、閑静な住環境が保たれます。

将来的にも工場や大規模な商業施設が建つことがないので良好な住居環境を保てます

第一種低層住居専用地域内に建築することができる建築物

1.住宅
2.住宅で事務所、店舗を兼ねるものなど
3.共同住宅、寄宿舎または下宿
4.学校
5.神社、寺院、教会
6.老人ホーム、保育所、身体障碍者福祉ホーム
7.公衆浴場
8.診療所
9.巡査派出所、公衆電話所

第一種低層住宅専用地域内は建築物の制限をうける

・建築物の高さは10m又は12mを超えてはいけません。
・敷地境界から建物の外壁までの距離を1mまたは1.5m離す外壁の後退距離制限などが定められています。
・建ぺい率が30~60と低いので、例えば100㎡の土地に30㎡~60㎡しか建築できないということなので、敷地いっぱいに建物を建てることができません。

第二種低層住居専用地域

低層住宅のための良好な住居環境を守るために定める地域です。

良好な日照を得られるように建物の高さや敷地の境界から外壁までの距離が制限されます。

第一種低層住居地域と規制の内容は、ほとんど同じですが第二種低層住居地域は店舗や飲食店を建築できます。

特定開発行為に対する許可制

1.住宅
2.住宅で事務所、店舗を兼ねるものなど
3.共同住宅、寄宿舎または下宿
4.学校
5.神社、寺院、教会
6.老人ホーム、保育所、身体障碍者福祉ホーム
7.公衆浴場
8.診療所
9.巡査派出所、公衆電話所
10.店舗、飲食店で150㎡以内のもの

第二種低層住宅専用地域内は建築物に制限をうける

・建築物の高さは10m又は12mを超えてはいけません。
・敷地境界から建物の外壁までの距離を1mまたは1.5m離す外壁の後退距離制限などが定められています。
・建ぺい率が30~60と低いので、例えば100㎡の土地に30㎡~60㎡しか建築できないということなので、敷地いっぱいに建物を建てることができません。

第一種中高層住居専用地域

中高層住宅の住居環境を守るために定める地域です。

3階以上のマンションをはじめとした中高層の集合住宅を建築でき、住宅だけではなく、店舗兼住宅や、500㎡以下の店舗、図書館や学校など、住環境を損なわない建物の場合は建設することが可能です。

低層住居地域に比べるとに静かさはないですが、利便性が高い地域です。

第一種中高層住居専用地域内に建築することができる建築物

1.住宅
2.住宅で事務所、店舗を兼ねるものなど
3.共同住宅、寄宿舎または下宿
4.学校
5.神社、寺院、教会
6.老人ホーム、保育所、身体障碍者福祉ホーム
7.公衆浴場
8.診療所
9.巡査派出所、公衆電話所
10.大学、高等専門学校、専修学校
11.病院
12.老人福祉センター、児童厚生施設
13.店舗、飲食店で500㎡以内のもの
14.自動車車庫で300㎡以内のもの
15.税務署、警察署、保健所、消防署など公益上必要なもの

第二種中高層住居専用地域

中高層住宅の住居環境を保護するために定める地域です。

第一種中高層住居専用地域に比べて建築できない用途が規制されて緩和されています。

1500㎡以内の店舗や飲食店、ガソリンスタンドなども建設することができ、第二種中高層住居専用地域は第一種中高層住居専用地域よりも便利性が高いですが、静かさという点では劣るという違いがあります。

第二種中高層住居専用地域内に建築することができない建築物

1.マージャン屋、パチンコ屋、射的場、勝馬投票販売所、場外車券販売
2.カラオケボックス
3.劇場、映画館、演芸場、観覧場
4.自動車車庫で300㎡超えるもの
5.倉庫業を営む倉庫
6.危険物などの貯蔵や処理する工場
7.キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホール
8.個室付浴場業に係る公衆浴場
9.工場
10.ボーリング場、スケート場、水泳場
11.ホテル、旅館
12.自動車教習所
13.畜舎で15㎡超えるもの
14.3階以上の部分で第一種中高層住居専用地域に建築できる用途にあてはまらないもの
15.床面積1500㎡超える部分で第一種中高層住居専用地域に建築できる用途にあてはまらないもの

第一種住居地域

住居環境を守るために定める地域です。

高さ制限が厳しくないので、狭い地域に一戸建てやマンションが混在しているという特徴があります。

第二種中高層住居専用地域より大きな店舗や飲食店、事務所、ホテルなどを建てることができます。

第一種住居地域内に建築することができない建築物

1.特殊な機械を使用するが住居の環境を害しない工場
2.危険物などの貯蔵や処理する工場
3.特殊な機械を使用する住居の環境を害する工場
4.一定の基準を超える危険物などの貯蔵や処理する工場
5.原動機を使用する工場で作業場の床面積が50㎡超えるもの
6.特殊な機械を使用する商業その他業務の利害を害する工場
7.キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホール
8.個室付浴場業に係る公衆浴場
9.劇場、映画館、演芸場、観覧場
10.自動車車庫で300㎡超えるもの
11.倉庫業を営む倉庫
12.マージャン屋、パチンコ屋、射的場、勝馬投票販売所、場外車券販売
13.カラオケボックス
14.床面積3000㎡超える部分で第一種中高層住居専用地域に建築できる用途にあてはまらないもの

第二種住居地域

住居環境を守るために定める地域です。

第一種住居地域と比べてパチンコ屋カラオケボックスボックス3000㎡を超える大規模な店舗や飲食店を建築できるようになり住民以外の人の出入りが多くなります。

第二種住居地域内に建築することができない建築物

1.特殊な機械を使用するが住居の環境を害しない工場
2.危険物などの貯蔵や処理する工場
3.特殊な機械を使用するが工業の利益を害する工場
4.一定の基準を超える危険物などの貯蔵や処理する工場
5.原動機を使用する工場で作業場の床面積が50㎡超えるもの
6.特殊な機械を使用する商業その他業務の利害を害する工場
7.キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホール
8.個室付浴場業に係る公衆浴場
9.劇場、映画館、演芸場、観覧場
10.自動車車庫で300㎡超えるもの
11.倉庫業を営む倉庫
12.店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝馬投票販売所、場外車券販売で10000㎡超えるもの

準住居地域

道路の沿道において、地域の特性や利便を図りつつ、それと調和した環境を保護するために定めた地域です。

国道や県道など主要幹線道路に面したエリアに指定されていることが多く、戸建住宅などの住居のほか、店舗飲食店自動車ディーラーの店舗などが立ち並んでいるのが特徴的です。

住居系の用途地域でもっとも規制が緩くて交通や買い物の利便性が高い用途地域が準住居地域です。

準住居地域内に建築することができない建築物

1.特殊な機械を使用するが工業の利益を害する工場
2.一定の基準を超える危険物などの貯蔵や処理する工場
3.原動機を使用する工場で作業場の床面積が50㎡超えるもの
4.特殊な機械を使用する商業その他業務の利害を害する工場
5.キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホール
6.個室付浴場業に係る公衆浴場
7.特殊な機械を使用するが住居の環境を害しない工場
8.危険物などの貯蔵や処理する工場
9.劇場、映画館、演芸場、観覧場で客席の床面積200㎡以上のもの
10.劇場、映画館、演芸場、観覧場の用途の床面積10000㎡以上のもの

田園住居地域

農業の利便の推進を図りつつ、良好な低層住宅の環境を保護するための地域です。

良好な日照を得られるように建物の高さや敷地の境界から外壁までの距離が制限されます。

農業に関することで制限が緩和されること以外は第一種低層住居地域とほとんど同じ内容なので静かな住環境を保つことができます。

田園住居地域内に建築することができる建築物

1.住宅
2.住宅で事務所、店舗を兼ねるものなど
3.共同住宅、寄宿舎または下宿
4.学校
5.神社、寺院、教会
6.老人ホーム、保育所、身体障碍者福祉ホーム
7.公衆浴場
8.診療所
9.巡査派出所、公衆電話所
10.農産物の生産・集荷・処理・貯蔵に供する建築物
11.農業の生産資材の貯蔵に供する建築物
12.農業の利便増進に必要な店舗・飲食店等の用途に供する部分の床面積が500平方メートル以内の建築物(2 階以下)
13.店舗・飲食店等に供する部分の床面積が150平方メートル以内の建築物(2階以下)

田園住居地域内は建築物に制限をうける

  • 建築物の高さは10m又は12mを超えてはいけません。
  • 敷地境界から建物の外壁までの距離を1mまたは1.5m離す外壁の後退距離制限などが定められています。
  • 建ぺい率が30~60と低いので、例えば100㎡の土地に30㎡~60㎡しか建築できないということなので、敷地いっぱいに建物を建てることができません。

近隣商業地域

近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域です。

商業地域であるため、店舗娯楽施設遊技場などの割合は高くなり、駅前の繁華街の中の戸建て住居店舗を兼用した住居店舗兼事務所なども多い地域です。

近隣商業地域内に建築することができない建築物

1.特殊な機械を使用するが工業の利益を害する工場
2.一定の基準を超える危険物などの貯蔵や処理する工場
3.原動機を使用する工場で作業場の床面積が150㎡超えるもの
4.特殊な機械を使用する商業その他業務の利害を害する工場
5.キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホール
6.個室付浴場業に係る公衆浴場

商業地域

商業その他の業務の利便を増進するため定める地域地域です。

商業地域は、駅に近い場所が中心になっています。鉄道のほか、路線バスなど公共交通機関が充実しているという利便性の高い地域です。

銀行映画館娯楽施設ショッピングモールなど、外から人が集まりやすい条件がそろっているので、にぎやかな街なみになります。

商業地域内に建築することができない建築物

1.特殊な機械を使用するが工業の利益を害する工場
2.一定の基準を超える危険物などの貯蔵や処理する工場
3.原動機を使用する工場で作業場の床面積が150㎡超えるもの
4.特殊な機械を使用する商業その他業務の利害を害する工場

準工業地域

環境の悪化をもたらす恐れのない工業の利便を増進するため定める地域です。

比較的小規模な工場が多く危険性や環境悪化が大きい工場以外はほとんど建てられます。

準工業地域内に建築することができない建築物

1.特殊な機械を使用するが工業の利益を害する工場
2.一定の基準を超える危険物などの貯蔵や処理する工場
3.個室付浴場業に係る公衆浴場

工業地域

工業の利便を増進するため定める地域です。

工業地域は準工業地域よりも、建てられる工場の幅が広がり、危険物の貯蔵や処理が多い施設、環境を著しく悪化させるおそれのある工場が許可されているので住居を建てれるけれども住環境は良くない地域です。

商業地域内に建築することができない建築物

1.個室付浴場業に係る公衆浴場
2.キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホール
3.劇場、映画館、演芸場、観覧場
4.学校
5.病院
6.店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝馬投票販売所、場外車券販売

工業専用地域

工業の利便を増進するため定める地域です。

工業専用地域は、住居の建築ができない用途地域で、あらゆる工場を建てることができ、工場の規模も大きいのが特徴です。

湾岸施設によくある大規模工場地帯に工業専用地域が多く、面積の制限がないので、石油コンビナートや倉庫業の倉庫など広い面積を必要とする工場が多いです。

工業専用地域内に建築することができない建築物

1.住宅
2.共同住宅、寄宿舎または下宿
3.老人ホーム、身体障碍者福祉ホーム
4.物販販売業を営む店舗、飲食店
5.図書館、博物館
6.ボーリング場、スケート場、水泳場
7.マージャン屋、パチンコ屋、射的場、勝馬投票販売所、場外車券販売

まとめ

土地が都市計画区域なのか都市計画区域外なのか市街化区域なのか市街化調整区域なのか用途地域住宅系なのか商店街系なのか工業系なのか理解することで、将来的な街なみがどうなっていくのか予測できるます。

将来的な自分のライフスタイルや家族のありかたをの想像するうえで、都市計画を調べて住む場所を考えることは大切です。

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