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住宅性能評価とは何か?メリット・デメリットをわかりやすく解説

住宅性能評価の評価項目と費用!5つのメリットと1つのデメリット!

住宅性能評価とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で位置づけられた性能を表示する制度です。

新築住宅、マンション、中古住宅の品質や性能を一般の方にも分かるように等級で表示して、品質を評価書という形で示すものです。

住宅性能評価とは何か?設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書についての説明。住宅性能評価の10の評価項目と4つの必須評価項目について、5つのメリットと1つのデメリットについて解説します。

目次
1.設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書
2.住宅性能評価の評価項目
3.費用
4.性能評価のメリット
5.性能評価のデメリット
6.まとめ

 

設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書

 住宅性能評価には、設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書があります。

設計住宅性能評価書
設計段階の図面から、その住宅の性能を評価をする評価書です。

建設住宅性能評価書
図面どおり施工が実施されているかどうかを、実際に住宅を検査することにより作成した書面が建設住宅性能評価書です。検査は施工中・竣工時に数回に渡って行われます。

 

設計の性能評価を受けているものが、建設性能評価を受けられる制度になっており、両方取得して効果を発揮します。

住宅性能評価書を取得するためには、登録されている第三者の検査機関に申請します。

申請は設計者や工務店などの工事業者が代理で申請することが一般的です。

住宅性能評価の評価項目

10分野の評価項目

 住宅性能評価には、10分野の評価項目があります。

構造の安定
地震が起きた時の建物の倒壊のしにくさなど

火災時の安全
火災発生時の避難のしやすさ、燃え広がりにくさなど

劣化の軽減
経年劣化に対して土台や柱の丈夫さなど

維持管理・更新への配慮
水道管や排水管などの管理のしやすさなど

温熱環境・エネルギー消費量
冷房や暖房を効率よく使うための断熱性能など

空気環境
含まれるホルムアルデヒドについてなど

光・視環境
窓の大きさなど

音環境
共同住宅の音の広がりにくさなど

高齢者等への配慮
段差の有無、階段の勾配の状態など

防犯
外部からの進入防止対策があるかなど

必須となる4分野の評価項目

多くの人は、この必須分野での性能評価を受けられています。

10分野のうち必須項目は4分野です。

構造の安定

構造の耐力に関するもので、地震に対する耐震等級が主ですが、他に台風や積雪、地盤などの項目があります。

耐震等級は1~3まであります。

耐震等級1
建築基準法と同等で、震度6強~震度7といった大地震で倒壊しないものとされています。

耐震等級2
耐震等級1の1.25倍

耐震等級3
等級1の1.5倍

劣化の軽減

建物は経年劣化により、機能が低下してきてしまいます。建材が劣化しにくいような対策を評価します。

木造であれば、構造材である木材(地盤に近い部分:土台や柱下部など)において、劣化を軽減する防腐等の措置や防蟻措置といったものもありますが、ヒノキやヒバといった劣化しにくい木材の選定をすることでも対処が可能です。

劣化対策等級1
建築基準法に基づいた劣化対策が施されている

劣化対策等級2
想定される自然条件や維持保管条件のもと、2世代(50~60年)まで必要な対策が施されている

劣化対策等級3
想定される自然条件や維持保管条件のもと、3世代(75~90年)まで必要な対策が施されている

維持管理や更新への配慮

設備の維持管理や更新への配慮として、水道管やガス管といった設備配管などの維持管理のための措置の項目があります。

等級1
配慮なし

等級2
配管をコンクリートに埋め込まないなど、維持管理を行う上での基本的な配慮がある

等級3
掃除口や点検口などが設けられており、簡単に維持管理が行える配慮がある

 

省エネルギー対策

断熱性や気密性を示す断熱等性能等級と設備の消費エネルギーを評価する1次エネルギー消費量の二つの指標があります。

戸建て住宅では断熱等性能等級が主流となっています。

断熱等性能等級

等級1
その他(等級2~4以外)

等級2
昭和55 年に制定された基準(旧省エネ基準)に適合

等級3
平成4年基準(新省エネ基準)に適合

等級4
平成25年基準(次世代省エネ基準)に適合

1次エネルギー消費量等級

等級1
その他(等級4、等級5以外)

等級4
H25 基準相当

等級5
低炭素基準相当

 

費用

住宅性能評価書の取得費用の相場は、10~20万円程度です。

費用は、一戸建てか集合住宅かなど住宅の様式によっても異なります。

また、必須項目だけかすべての分野の評価を依頼するかなどによっても費用が変わります。

 

性能評価のメリット

  

地震保険料の割引が受けられる

住宅性能評価書の評価項目のうち「構造の安定に関すること」では、耐震性能を3段階で評価されます。

この耐震性能の評価に応じて、地震保険料率の割引を受けることが可能です。

地震保険では、耐震等級3を取得していれば保険料が50%も割り引きが受けられます。耐震等級2では30%、耐震等級1では10%の割引になります。

(長期優良住宅に認定されている場合でも地震保険料の割引が受けられるので要確認です。)

紛争処理体制の整備

トラブルが発生した時に、建設住宅性能評価書が交付された住宅であれば、請負や売買契約について、指定住宅紛争処理機関に当事者間の紛争の処理を申請できます。 紛争処理の手数料は1件あたり1万円となっています。

(住宅瑕疵担保責任保険でも紛争処理制度が受けられるので要確認です。)

住宅の品質の可視化

建築基準法の最低基準ではなく、建築主にとって必要な基準を評価書という目に見える形で評価してもらえるため、消費者にって安心できる。

中古物件として売却する際には何もないよりは価値が上がる場合があります。

 

住宅ローンの優遇

一般の金融機関の住宅ローンに加えて、住宅金融支援機構提携フラット35の優遇が受けられることもあります。優遇を受けることができる条件は金融機関によって異なるので事前確認が必要です。

(長期優良住宅に認定されている場合でも地震保険料の割引が受けられるので要確認です。)

 

第三者の検査での品質管理

現場検査があるのである程度の高品質を確保できる。

第三者の検査員が現場の検査に4回訪れるので安心できるものと言えます。

現場検査

基礎配筋工事完了時

屋根工事完了時(躯体工事完了時)

内装下地張り直前

竣工時

住宅性能評価書を受けない場合でも第三者の現場検査はあります

住宅性能評価を受けない場合でも確認申請の完了検査1回と住宅瑕疵保険の現場検査2回の合計3回の検査が行われます。

確認申請(建築基準法)の完了検査

基本的には全て仕上がった状態で間取りや窓の配置、階段や各部の寸法確認などの簡易な検査となっています。

住宅瑕疵保険の現場検査

基礎配筋工事完了時と躯体工事完了時の2回現場検査があります。

性能評価のデメリット

 

費用がかかる

 

必須の4分野であれば、特別大きなコストアップにはならないですが多くの分野で評価基準に合わせて取得しようとすると、工事費が上がってしまい割高になってしまう。

評価書取得のための申請や検討の手間費や審査機関への手数料が30~40万円程度はかかる。

まとめ

住宅性能評価とは、より高い品質を確保するとともに評価書として目に見える形にするという制度です。

住宅性能評価書を受けなくても住宅瑕疵担保責任保険への加入が義務られるので第三者の検査は行われ10年の保証を受けられますし紛争処理制度も受けられます。

長期優良住宅に認定されれば地震保険の割引、住宅ローンの優遇を受けられます。

住宅に関するさまざまな制度がたくさんあり、それらの内容が重複することがあるので内容を理解して無駄のないようにすることが大切です。

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