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杭工事の既製杭工法の工法と場所打ちコンクリート杭工法の工法を解説

杭工事の既製杭工法の4工法と場所打ちコンクリート杭工法の5工法を解説

杭工事とは、軟弱地盤に構造物を建築する際、浅い地盤では構造物を支えることのできない場合に、杭で建物の最下部から支持地盤と呼ばれる堅固な地層まで、建物の重さを伝達させることができます。

杭工事には既製品の杭を現場に持ち込んで打ち込む既製杭工法と、現場で掘削して鉄筋を落とし込むもしくは配筋してコンクリートを打ち込む場所打ちコンクリート杭工法があります。

既製杭工法の4工法の打撃工法プレボーリング工法セメントミルク工法中掘り工法場所打ちコンクリート杭工法の5工法のオールケーシング工法アースドリル工法リバースサーキュレーション工法BH工法深礎工法を解説します。

目次
1.既製杭工法
2.場所打ち杭工法
3.まとめ

 

既製杭工法

 

打撃工法

打撃工法は下穴を用いる事なく初めから終わりまで打撃力によって既製杭を打ち込む工法です。

一般的に杭径600㎜以下の施工に用いられ、事前に穴を掘ることなく、ハンマーを使用して打ち込むため地盤を緩めることはなく体力は期待できます。

杭頭の破損を避けるため重いおもりを低い位置から落として打ち込むのですが、騒音や振動が大きく市街地での施工には問題が多いです。

プレボーリング工法

地盤オーガーで支持地盤の近くまでプレボーリングした後、杭を立て込み打撃する工法です。

スパイラルオーガーで支持地盤まで掘削しておいてから打撃して杭先端を支持層に定着させます。

オーガーによる掘削径は通常粘性土の場合は杭径−50㎜程度です。

 

セメントミルク工法

アースオーガーであらかじめ杭径より100㎜程度大きい径で支持地盤まで掘削された孔に既製コンクリート杭を建て込む工法です。

孔の崩壊を防ぐためオーガの先端から掘削液を注入しながら地盤を掘削し、支持層まで掘削したら根固め液に切り替えオーガを引き上げながら注入を行います。

根固め液は必ず杭の先端位置から注入し始めてを掘削液を押し上げるように注入して杭を支持層に固定し、先端支持力を確保させます。

根固め強度が必要ない部分に達したらオーガーを抜く時に掘削した穴が崩れないように、杭周固定液(もしくは根固め液のまま)注入しながらオーガーを引き上げ、杭の周面摩擦力や水平抵抗を確保させます。

プレボーリング効果形成したら杭を挿入し、圧入または軽打します。

セメントミルク工法では通常300㎜〜600㎜の杭径で施工深さ30mまでで先端閉塞杭を使用し、杭の根入れ深さに関しては、支持層への深さ1.5 Mm程度とし杭を支持層中に1m以上根入れとし掘りは0.5 m以下とします。

中掘り杭工法

杭中空部にオーガーなどを挿入し杭先端地盤を掘削しながら杭中空部から排土し、杭を設置する工法です。

杭に作用する周辺摩擦抵抗を低減させて杭の掘削しながら埋め込むのを容易にするために杭先端にフリクションカッターを取り付けます。

掘削は地盤を必要以上に緩めないように注意し、支持層に近づいたらオーガーの先行掘り少なくして地盤の乱れを防止します。

場所打ち杭工法

 

オールケーシング工法

杭の全長にわたりケーシングチューブを揺動・圧入し、地盤の崩壊を防ぎながらケーシングチューブ内の土をハンマーグラブによってつかみ上げ地上に排出し掘削・排土する工法です。

掘削完了後、ハンマーグラブや沈殿バケットで孔底処理を行い、鉄筋かごとトレミー管を建て込み、スライムが堆積している場合は二次スライム処理を行った後、ケーシングを引き抜きながらコンクリートを打設します。

アースドリル工法

ドリリングバケットを回転させ、掘削・排土する工法です。

表層の崩壊防止のためケーシングチューブを設置し、それ以深は必要に応じて安定液を用いて掘削します。

掘削完了後、ドリリングバケットを底ざらいバケットに交換して一次スライム処理を行い、鉄筋かごとトレミー管を建て込み、スライムが堆積している場合には二次スライム処理を行った後、コンクリートを打設します。

リバースサーキュレーション工法

 スタンドパイプを建込み、ビットを回転させ地盤を切削し孔内に水を満たすことにより孔壁に対して静水圧をかけ、孔壁の崩壊を防ぎながらドリルパイプを介して土砂と水を吸上げ排出する工法です。

掘削完了後、鉄筋かごとトレミー管を建込み、スライムが堆積している場合は二次スライム処理を行った後、コンクリートを打設する

BH 工法

BH 工法は敷地が狭い場合や傾斜している場合なのでアースドリル、オールケーシング、リバースサーキュレーションの3工法が施工できない場合に採用されることが多いです。

BH工法の掘削は正循環掘削工法であり、孔内をゆっくりと上昇する循環泥水に掘削した土砂を溶かし込んで循環泥水と共に孔口まで運び、それを孔外へ排出する掘削方法です。

掘削完了後鉄筋かご建て込みトレミー管を使用してコンクリートを打設して杭を構築します。

深礎工法

人力で掘削を行う方法で、孔の直上に排土バケット吊り上げ用のやぐらを組み立てて、掘削した土砂をバケットに入れウインチで巻き上げて排土を行います。

坑壁をライナープレート(鋼製波板)や鉄筋リングなどの土留め材で支えながら掘削し、支持地盤へ到達したら坑内に鉄筋かごを組み立て、土留め材を取り外しながらコンクリートを打設します。

まとめ

軟弱地盤で支持層が深い所に構造物を建築する際は、ざまざまな杭の工法の中から建物の規模、立地、地盤の状態を考慮して設計士が適切な工法を選択して構造物に強度を持たせます。

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